電動何とか三菱iは99.8万円で21 km/l、これを電動化したi-MiEVは459万円で7.6 km/kWh。ガソリンの密度783 g/l、熱量46 MJ/kgとすれば、1 (l) x 0.783 (kg/l) x 46000 (kJ/kg) / 21 (km) = 1710 kJ/km。電気自動車は7.6 km/kWhだから、132 Wh/km = 132 J/s x 3600 s / km = 480 kJ/kmとなる。なお、自転車をこぐヒトの例では、10 kcal/min x 60 min / 30 km = 600 kcal/30 km = 20 kcal/km = 84 kJ/km等となる。これは、自転車が軽いからだと思う。 このように、電気自動車は走行時のエネルギー消費が少ない。これは、主に、内燃機関と電気モーターの効率の差異によると思われる。しかしながら、これは公平な比較といえない。たとえてみれば、玄米と精白米の消化速度を比較してどちらが優れているか決めようとしているようなものだ。発電のための熱効率は、たとえば石炭火力で40%である。送電時のロスも10%程度ある。さらに充電時の効率は普通充電で76%、急速充電で51%(メーカー公表値の16 kWhを普通充電100V15Aで14時間または200V15Aで7時間、12.8 kWhを急速充電50 kWで30分)。これらを考慮すれば充電池に蓄えられる電力は発電に用いた資源のもつエネルギーの0.4 x 0.9 x 0.76 or 0.51 = 0.27 or 0.18である。したがって、電気自動車走行に関わる資源のエネルギーは1780 or 2700 kJ/kmとなり、普通充電でガソリン車と同じ。急速充電ではガソリン車の1.6倍となる。高効率を追求できる発電所と、出力を変動しなければならなかったり、さほど圧縮率を上げられなかったりする自動車用小型エンジンとの効率の差異があるにも関わらず電気自動車のほうが多くのエネルギーを必要とするのは意外である。 次に、排出CO2を比較してみる。北電の2008年度CO2排出原単位は0.588 kg-CO2/kWhである。したがって、電気自動車77 g/kmのCO2排出とはいえず、充電時の効率を考慮して、101 g/km or 151 g/km、ガソリンは2.32 kg-CO2/lなので、エンジン車110 g/kmとなり、やはり電気自動車の排出CO2もガソリン車とほぼ同じか多い。 次に、走行コストで比較してみる。2009年11月現在、ガソリンの小売価格は約120 JPY/l、電気料金は北海道電力の従量電灯Bの280 kWh超で25.37 JPY/kWhである。よって、ガソリンで走る場合5.7 JPY/km、電気自動車では3.3 JPY/km/0.76 or 0.51 = 4.3 or 6.5 JPY/kmとなる。このように走行時のコストは電気自動車のほうが普通充電で若干安く、急速充電では少し高くなる。 この結果を見ると、電気自動車はガソリン車と同じ程度の経済性を有しているようにみえるがそうではない。電気自動車は発電に石炭等の安価なエネルギー源を使用しているのに対し、ガソリンエンジンは高価なガソリンのみを使っている。ガソリンには税金がかかっている。たとえば、石炭は石油石炭税0.700 JPY/kg、電気は電源開発促進税0.375 JPY/kWh、ガソリンは石油石炭税2.04 JPY/l + 地方道路税5.2 JPY/l+揮発油税48.6 JPY/lである。これらの税を全部取り除けば、ガソリン車3.0 JPY/km、電気自動車4.2 or 6.4 JPY/kmとなり、ガソリン自動車のコストの方が圧倒的に安い。揮発油税というのは道路を作るための特定財源だから電気自動車は公道を走ってはいけない。いわゆるただ乗りである。あちゃー自転車もだ!ちなみに電源開発促進税というのは、今は違うようであるがもともとは原子力発電促進税であった。 ところで、両者の価格差は359万円であるが、この価格差は普通充電で260万km走行しなければ取り戻せないが、その前に車自体が破壊してしまうだろう。価格はエネルギーとCO2排出を表している。また補助金の類はエネルギー消費やCO2排出には関係ないのでここでは考えるべきではない。したがって、電気自動車はエネルギーの無駄遣いで、CO2の大量排出を伴う製品だ。二酸化炭素の排出を走行時から発電時に移しただけという考えは、普通充電で正しく、急速充電ではもっと余計に排出している。そして、購入コストとそれに伴う二酸化炭素排出は、原料の採掘〜製品の製造〜廃棄時の処理〜賃金を受け取った従業員の消費活動等に分散している。 なお、私は無駄使いが悪いとはいってない。鳩山政権の必殺仕分け人よりも無駄使いして経済発展するほうがよっぽど歓迎だ。ただ、「地球にやさしい」などと嘘をついて政府と結託してあくどく儲けているのをみると嫌な気持ちになるし、だまされているのに気づいたときは自分の情けなさに腹が立つ。 これだけいわれてもやっぱりまだなんでも電動にしたほうがよいと思うなら、なぜ電動飛行機がせいぜいラジコン機程度にとどまっているのか検討してみればよい。電動の乗り物の基本的な性質がよくわかる。ついでに、なぜ太陽電池で飛ぶ飛行機ができないかも考えてほしいものだ。原子力飛行機も多分実用化しない。 したがって、COP69の時は、各国首脳は太陽電池で駆動する船で温暖化で熱膨張した海水を乗り越えて集結しなければならない。帆船の方がよっぽどましなような気もするが、集結には半年くらいかかって温暖化の異常気象のおかげで結構命がけだ。のんびりしていい時代になるだろう。 |