インチキワクシング2011*「剥がす」とは、ホットスクレーピング→ちょっと冷やす→ブロンズブラシ10回 *滑走性を損なわずにどこまで手抜きできるかを追求。 *ワクシング時にはガスマスクを装着する。パラフィンワックスでも肺の機能が一時的に損なわれる。フッ素ワックスであれば命に関わるかもしれない(撥水スプレーの事故と同じ)。ワックスルームで他の人と一緒に作業する場合は、ワックスルーム入室前に着用し、ライバルに馬鹿にされたり、鼻の頭が痒くなったり、鼻水が出て口の周りがべろべろになったりしても、ワックスルームを出るまでは決して外してはいけない。同様に、スキーショップに何かを買いにいっても、ワックスの匂いが漂っていた場合は、その日はあきらめて即刻帰宅するか、息を止めて急いで買い物を済ませる。 ベースプレップ 購入時、ストーン後は柔らかいワックスから1回づつかけて徐々に硬くしていき最後のベースワックス→剥がすは最低2回できれば5回。硬めの滑走ワックス塗りっぱ。 ここで言うベースワックスとはベースバーン防止とクリーニングのためのワックスで、アルペンで激しく乗る体重の重い人はたぶんコールドパウダー級、クロカンでほんのちょっと乗るだけの子供なら滑走ワックスで十分。私の場合アルペン・クロカンともにコールドパウダー(日本精鑞fnp-0115)。最高級レーシングベースにこいつをかければどんなに硬い斜面でも絶対にベースバーンしない。 ここでいう滑走ワックスとは雪温にあったパラフィンワックス。気温はある程度天気予報でわかるが、雪温はそれまでの気温の履歴やコース上の位置、時間、日照等によっても変わる。特別に寒いことや暑いことがわかっている場合を除いて全温度対応ワックスが楽である。お勧めパラフィンはHertel社のSuper Hot Sauce、フッ素はFC739、春先はたぶんSpring Solution、仕上げにWhite Goldである。White Gold以外の値段は有名メーカー製品に比べてものすごく安いがHertelで買うと送料が高い。Amazonで買えば送料もさほど高くない。 シーズン初めの滑走前 ある日の滑走終了後の翌日以降のトレーニング滑走の準備 *硬いベースワックスが不要の場合(子供など)は、雪のきれいな北海道であれば、究極の手抜きとしてベース・滑走を兼ねた滑走ワックスの1回塗りも可 *削りかすがひどく汚れている場合は、きれいになるまでベースワックス→剥がすを繰り返すか、あきらめてリムーバーを使う(私は使わない)。 ある日の滑走終了後の翌日以降のレースの準備 上記滑走ワックスは硬いほうからフッ素ワックスの1つ硬いものまで繰り返す。例)ベースにコールドパウダー、滑走ワックスがHF10の場合、CH4→CH6→CH7→CH8 or LF8とHF10へ向かっていく。面倒くさいし金がかかる?その通りである。したがって、私は実はFC739という全温度ワックスを使っている。例えば、fnp-0115→CH4→マツモトグリーン→FC739で終わりで簡単。気温が高い場合はこの上にテフロンブレンドを塗る。適当である。でも滑る。仕上げは低温の場合FC002、高温の場合NOTWAX。適当だ。でも滑る。ただ、アイロン温度だけは気をつけている。硬いワックスから軟いワックスにかけてアイロン温度は徐々に下げないといけない。具体的にはfnp-0115:130度、CH4:120度、マツモトグリーン:110度、FC739:100度、テフロンブレンド:90度。そうしないと硬いワックスが染み込まないし、先に塗ったワックスが無駄になってしまう。 しかし、どうしても雪温に応じて塗りたいという趣向の御仁もいると思う。そういう人は、まずYahoo!等の天気予報でスキー場の位置する地域の天気予報で気温を見つけ、それに標高差で100 mあたり0.65度引く。アルペンなら一番速度の落ちる緩斜面にあわせればよい。クロカンなら真冬日ブルー、冬日レッド、暑い日はイエローこれでよかろう。ただし、そのワックスに至るまでの間のパラフィンが、面倒くさい。 シーズン最後の滑走後 または ベースバーン ベースバーンとはエッジ際の滑走面が真っ白けになることをいう。これは雪面との摩擦により生じたポリエチレンのケバで、光を乱反射しているので白く見える。ベースバーンになると滑れば滑るほど滑走性が悪くなって最悪である。ワクシングしないで何日も滑ったり、滑走後に柔らかいワックスでクリーニングしてしまうと起きる。万が一ベースバーンしたらブロンズブラシで白いケバを全て取り除く。ブロンズブラシで取れないくらいひどければサンディングするかストーンしないと直らない。 よく誤解されるが、夏に30回くらいワックスをかけようが、サーモバッグに入れようが(N. S.なる札幌の有名なショップでプロの手によりサーモバッグに入れてもらい(おそらくTOKOの)イエローをたっぷりしみこませた新品クロカンスキーがたった一日の滝野でベースバーンしたのを確認済)、ベースバーンするときはする。それは、柔らかいワックスが染み込んでいるからである。柔らかいワックスが染み込んでいると、硬いワックスをかけてもスクレーピングのときに柔らかいワックス部分でワックスがせん断され、なかなか硬いワックスに置き換わらない。ワックスが消耗している段階(購入直後・ストーン直後・滑走後・リムーバー後)で硬いベースワックスをがっちりかければ1〜2回しかワクシングせずとも、震えるくらい寒い車庫でワクシングしようが、滑走ワックスをホットスクレーピングしようがベースバーンしない。 ベースバーンした板にワックスをかけるとケバが見えなくなる。ワックスがのっているうちはケバはみえない。この状態を保つために必死になってワックスを何回もかける人がいるがそれは無駄だ。ケバは取らなければならない。ケバを取ってベースワックスを入れる必要がある。 ケバを取らないで軟いワックスでクリーニングすればケバはどんどん進行する。ケバを取らずに硬いベースワックスを入れるとベースバーンは進行しないが直ることはない。バーンが軟かったり距離を乗らなかったりしてケバが見えるようにならないときもあるがそれはたまたまであって、ケバが取れたわけではない。何度もワクシングするうちにスクレーピングやナイロンブラッシングでラッキーにケバが少しづつ取れることもあるが、白く見える状態でブロンズでやればすぐ取れるし取れたのを確認できる。 しつこいが、万が一ベースバーンしたときの対処。 滑走後の状態でブロンズブラシで白いケバを全て取り除く。その後普通にベースワックスからワクシング。 *アルペン用板の場合、エッジが丸くなってしまうのでブロンズブラシは使わないほうがいいという意見がある(C. D. 店主談)。いちいちエッジを調整すればいいかもしれないがそれもまた面倒。しかし、この店主のショップの選手の板はベースバーンしていた。それでも速けりゃそれでいいが、ベースバーンしてなきゃもっと速いはず。 *ブロンズで取れない場合はストーン→ベースプレップ クロカンとアルペン アルペンのレースはある程度の速度でせいぜい2 km位を滑走する。ワックスはコース上のもっともスピードの落ちる、たいていは緩斜面に合わせる。極論すれば、財布にさえ余裕があればレースのワックスはササハラワックスで十分だが、むしろ気をつけるべきは練習時のワックスだ。練習時に雪面で滑走面を磨いて滑走性を上げ、本番用ワックスの乗りを良くするためにワックスを切らしてはいけない。 私のクロカンの速度は0〜60 km/hくらいである。特に長距離レースの場合は、気温・湿度・雪温・雪質はあるコース上でも時間や場所で変わる。朝の日陰の上りにあわせれば昼の日なたの下りでごぼう抜きされる(そんなに時間がかかるのがそもそも問題という説もある)。昼の日なたの下りにあわせれば朝の日陰の上りで死ぬ。そこで、全温度対応ワックス(ユニバーサルとは違うとメーカーではいっている)を試している。あらゆる雪質でものすごく滑る必要はない。他人より少しでも速ければいいのだ。 スクレーパー 最近は全部暖かいうちにワックスを剥いでいるのでどうでもいいのだが、もしか研ぎたいときは、手のひらサイズでいくつかの砥ぎ口があるセラミクス製と思われるシャープナーで研ぐとよい。程度にもよるがあまりひどくならないうちに研げば、ピュッ、ピュッとやるとギンギンになる。何回か研いでいると真ん中がへこんでくるので、まっすぐな木の上にサンドペーパーを広げてギコギコとフラット出しする。この作業を「研ぐ」と称する人もいるが私の場合は下手なのか、面倒な割にはあまりギンギンにはならない。 SWIXの、やすり(スキー業界ではなぜかファイルという)みたいなシャープナーもある。買ってみたが、何の役にも立たなかった。実績で一年でホルメンのシャープナーがだめになってVitorraに買い換えた。どちらも使い勝手は一緒。 なお、(特にアルペンの)スクレーピングには軍手が必須である。軍手を使うと指の負傷を気にせず力が入る。 全温度対応ワックス Hertel, Super Hot Sauce, FC739, White Gold ドミネーターズームなど コールドパウダー SWIX CH3 日本精蝋FNP-0115など *参考資料 *参考にならないかもしれないリンク * 上記記事の原著Leonid Kuzminの論文 |