インチキワクシング2014*「剥がす」とは、ホットスクレーピング→ブロンズブラシ10回。 *滑走性を損なわずにどこまで手抜きできるかを追求。 *ワクシング時にはガスマスクを装着する。パラフィンワックスでも肺の機能が一時的に損なわれる。フッ素ワックスであれば命に関わるかもしれない(撥水スプレーの事故と同じ)。ワックスルームで他の人と一緒に作業する場合は、ワックスルーム入室前に着用し、ライバルに馬鹿にされたり、鼻の頭が痒くなったり、鼻水が出て口の周りがべろべろになったりしても、ワックスルームを出るまでは決して外してはいけない。同様に、スキーショップに何かを買いにいっても、ワックスの匂いが漂っていた場合は、その日はあきらめて即刻帰宅するか、息を止めて急いで買い物を済ませる。 ベースプレップ 購入時、ストーン後は柔らかいワックスから5回づつかけてベースワックスまで徐々に硬くしていき、最後に硬めの滑走ワックス塗りっぱ。滑る滑走面にするためにワックスは一々剥がす。 ここで言うベースワックスとはベースバーン防止とクリーニングのためのワックスで、アルペンで激しく乗る体重の重い人はたぶんコールドパウダー級、クロカンでほんのちょっと乗るだけの子供なら滑走ワックスで十分。私の場合アルペン・クロカンともにコールドパウダー(日本精鑞fnp-0115)。最高級レーシングベースにこいつをかければどんなに硬い斜面でも絶対にベースバーンしない。 ここでいう滑走ワックスとは雪温にあったパラフィンワックス。気温はある程度天気予報でわかるが、雪温はそれまでの気温の履歴やコース上の位置、時間、日照等によっても変わる。特別に寒いことや暑いことがわかっている場合を除いて全温度対応ワックスが楽である。お勧めパラフィンはHertel社のSuper Hot Sauce、フッ素はFC739、春先はたぶんSpring Solution、仕上げにWhite Goldである。White Gold以外の値段は有名メーカー製品に比べてものすごく安いがHertelで買うと送料が高いので物好きな人を集めてまとめ買いした方がよい。 私の練習用ワックスは、蝋燭屋で買った融点華氏155度の単なるパラフィン。1 kgあたり2000円くらいでペレットのため一度溶かして固めた方が使いやすい。 シーズン初めの滑走前 ある日の滑走終了後の翌日以降のトレーニング滑走の準備 *硬いベースワックスが不要の場合(子供など)は、雪のきれいな北海道であれば、究極の手抜きとしてベース・滑走を兼ねた滑走ワックスの1回塗りも可 *削りかすがひどく汚れている場合は、きれいになるまでベースワックス→剥がすを繰り返すか、あきらめる(そのうちきれいになるさ)。 ある日の滑走終了後の翌日以降のレースの準備 私の例で言うと、コールドパウダー→ANTBB→Super Hot Sauce→FC739→White Gold→雪温に応じた(適当)フッ素パウダー→フッ素100%ペースト(→べっちゃべちゃの場合のみNOTWAX)である。雪温はわからないが、気温はまずYahoo!等の天気予報でスキー場の位置する地域の天気予報で気温を見つけ、それに標高差で100 mあたり0.65度引く。アルペンなら一番速度の落ちる緩斜面に合わせればよい。クロカン長距離で温度差が大きく、悩む場合は耐久性重視で寒い方を選択。 シーズン最後の滑走後 または ベースバーン ベースバーンとはエッジ際の滑走面が真っ白けになることをいう。これは雪面との摩擦により生じたポリエチレンのケバで、光を乱反射しているので白く見える。ベースバーンになると滑れば滑るほど滑走性が悪くなって最悪である。ワクシングしないで何日も滑ったり、滑走後に柔らかいワックスでクリーニングしてしまうと起きる。万が一ベースバーンしたらブロンズブラシで白いケバを全て取り除く。ブロンズブラシで取れないくらいひどければサンディングするかストーンしないと直らない。 よく誤解されるが、夏に30回くらいワックスをかけようが、サーモバッグに入れようが(N. S.なる札幌の有名なショップでプロの手によりサーモバッグに入れてもらい(おそらくTOKOの)イエローをたっぷりしみこませた新品クロカンスキーがたった一日の滝野でベースバーンしたのを確認済)、ワックスが柔ければ、あるいは、硬いワックスが柔らかいワックスの上に1〜2回しかかかっていないときなど、ベースバーンする。 柔らかいワックスが染み込んでいると、硬いワックスをかけてもスクレーピングのときに柔らかいワックス部分でワックスがせん断され、なかなか硬いワックスに置き換わらない。これが、ベースプレップで徐々に固くしていく理由である。ワックスが消耗している滑走後に硬いベースワックスをちゃんとしたレーシングベースにがっちりかければ、震えるくらい寒い車庫でワクシングしようが、滑走ワックスをホットスクレーピングしようがベースバーンしない。 ベースバーンした板にワックスをかけるとケバが見えなくなる。ワックスがのっているうちはケバはみえない。この状態を保つために必死になってワックスを何回もかける人がいるがそれは無駄だ。ケバは取らなければならない。ケバを取って硬いベースワックスを入れる必要がある。 軟いワックスでクリーニングすればケバはどんどん進行する。何度もワクシングするうちにスクレーピングやナイロンブラッシングでラッキーにケバが少しづつ取れることや、バーンが軟かったり距離を乗らなかったりしてケバが見えるようにならないときもあるがそれはたまたまであって、ケバが取れたわけではない。ブロンズでブラッシングすれば毛羽は取れる。白く見える状態でやればすぐ取れるし取れたのも確認できる。 *アルペン用板の場合、エッジが丸くなってしまうのでブロンズブラシは使わないほうがいいという意見がある(C. D. 店主談)。いちいちエッジを調整すればいいかもしれないがそれもまた面倒。しかし、この店主のショップの選手の板はベースバーンしていた。それでも速けりゃそれでいいが、ベースバーンしてなきゃもっと速いはず。 *ブロンズで取れない場合はストーン→ベースプレップ クロカンとアルペン アルペンのレースはある程度の速度でせいぜい2 km位を滑走する。ワックスはコース上のもっともスピードの落ちる、たいていは緩斜面に合わせる。極論すれば、財布にさえ余裕があればレースのワックスはササハラワックスで十分だが、むしろ気をつけるべきは練習時のワックスだ。練習時に雪面で滑走面を磨いて滑走性を上げ、本番用ワックスの乗りを良くするためにワックスを切らしてはいけない。 私のクロカンの速度は0〜60 km/hくらいである。特に長距離レースの場合は、気温・湿度・雪温・雪質はあるコース上でも時間や場所で変わる。朝の日陰の上りにあわせれば昼の日なたの下りでごぼう抜きされる(そんなに時間がかかるのがそもそも問題という説もある)。昼の日なたの下りにあわせれば朝の日陰の上りで死ぬ。そこで、全温度対応ワックス(ユニバーサルとは違うとメーカーではいっている)を試している。ものすごく滑る必要はない。あらゆる雪質で他人より少しだけ速ければそれでいいのだ。 滑走性というと下りばっかり気になって、怖いから別にいいやとかいう人もいるかもしれないが、下りが怖ければ棒立ちで腕を広げてエアブレーキをかけ、それでも足りなければプルークをすればいいだけの話だ(よくクローチングしながらプルークをしている初心者がいるが、あれだけはやめてくれ、意味がわからん、まるで、低カロリーのスポドリを飲みながらエナジーゼリーを食っているようだ)。 クロカンでは滑走性は上りにも強烈に効くんだから滑るスキーに仕上げるのは本当にものすごく大事だ。当たり前だが、例えば集団に憑いて上るときにスキーが滑ると心拍数を低く抑えて体力を温存することもできるし、単独の場合、同じ心拍数で滑らないスキーよりスピードを出すことができる。しつこく当たり前だが、どちらもゴールを通過する順位をよくするためには著しい効果がある。 スクレーパー 最近は全部暖かいうちにワックスを剥いでいるのであまり気にならないのだが、もしか研ぎたいときは、手のひらサイズでいくつかの砥ぎ口があるセラミクス製と思われるシャープナーで研ぐとよい。程度にもよるがあまりひどくならないうちに研げば、ピュッ、ピュッとやるとギンギンになる。何回か研いでいると真ん中がへこんでくるので、まっすぐな木の上にサンドペーパーを広げてギコギコとフラット出しする。この作業を「研ぐ」と称する人もいるが私の場合は下手なのか、面倒な割にはあまりギンギンにはならない。 SWIXの、やすり(スキー業界ではなぜかファイルという)みたいなシャープナーもある。買ってみたが、何の役にも立たなかった。実績で一年でホルメンのシャープナーがだめになってVitorraに買い換えた。どちらも使い勝手は一緒。 なお、(特にアルペンの)スクレーピングには軍手が必須である。軍手を使うと指の負傷を気にせず力が入る。 全温度対応ワックス Zumwax(ここのはユニバーサルで100%フッ素まである。しかも、激安。メーカーでは「気が狂ったように速い」と言っているが、私はまだ試したことはない。試した人がいたら教えてね。) Hertel, Super Hot Sauce, FC739, White Gold ドミネーターズームなど コールドパウダー SWIX CH3 日本精蝋FNP-0115など *参考資料 *参考にならないかもしれないリンク * 上記記事の原著Leonid Kuzminの論文 |