18日,名古屋経由で木曽福島に,ここでレンタカーを借りて ,まずはお仕事。ボーリング現場で採取されたコアを見る作業で,5時頃には終わ ってすっかり解放されました。さて,さっそく倉田邸を探しに王滝村に。それほど 大きな村ではありませんので,悪いけど私は勝手に,おばさんが一人電話番をして いる総勢5〜6人程度のささやかな営林署を想像しておりました。ところが,実際 に私の目の前に現れた営林署は,木造2F2棟つづきの立派な建物 で,64人の職員が勤める林野庁でも大所帯の大営林署。村の中では小学校の次に 大きな建物です。そして倉田君はその大署長というわけです。倉田邸は営林署のす ぐ裏にあり,木造平屋で,なかなかの風情です。家そのものは私が 札幌白石に居たとき住んでいた官舎と同じようなものなのですが,空気は澄み,と ても静か。

 王滝営林署

 倉田邸

「ごめん下さい」と入っていくと,「やあやあどうもいらっしゃい。」と相変わ らずの調子で倉田君は現れました。10年も会っていないのだから,すっかり感じ も変わってしまうかと思ったら,さにあらず。昨日も会って話をしていたような調 子で,途中に挟まれた10年はどこに行ってしまったんだろうか。この笑顔のでるときには首が少し前に出るのも,従来どおりですね。倉田といえ ばギターといつも一緒。その水色の懐かしいケースも昔どおり,ただし,現在はあ まり弾いておらず,ベッドの下が定位置のようです。「とりあえず,温泉行きまし ょう」ということで,倉田のランクルにのって,王滝村温泉へ。山の奥深く,林道 を5分ほど走ったところに,村営の温泉が。建て屋は大して立派じゃないのだけれ ど,浴槽がすべて檜づくり。疲れもすっかり洗い流して(それほど疲れていなかっ たが),倉田邸に戻って空を見上げると,すばらしい星空。王滝村は別名,銀河の 村と呼ばれ,天文台もあるのです。

 倉田邸内部

倉田に若干の変化があったとしたら,料理の腕前が上がっていたことでしょうか 。私の記憶では,学生時代,彼の料理はあまり記憶にないが,皆さんはどうでしょ うか。この日は,すき焼きでした。なんとか牛もうまかったけど,野菜類もO.K.。 うーむ。こう言っては失礼かとは思うけれど,長年独身をやってると料理も手慣れ たものになるのかも知れない。とくに倉田は高知,宇和島,王滝と自然の豊富な外 食産業などありそうもないところを渡って来たわけです。でも,本人はその辺の変 化はあまり気づいていないようでした。上の写真は19日の朝食で,みそ汁の 味もすっかりはまっていました。

倉田は心から営林署の仕事を愛しているようです。霞ヶ関で勤務するより,どこ か田舎の営林署あるいは海外の方が性にあっているとのことでした。でもいま,署 長なので,組合員から突き上げられ,その話を上に持っていくと,「そんな話持っ てきてもらっちゃ困る」とまた叱られ,板挟みで大変だそうですが,彼の性格のお かげで,多分和やかな雰囲気が保たれていることでしょう。ところで,世間では林 野庁は結構たたかれているそうで,木曽の300年ものの檜をつぎつぎ伐採し,そ れでも負債がどんどんたまっているとのこと。先日もフォーカスが取材に来て,親 切に案内してあげたのに,出版された雑誌には,「林野庁のバカ行政」とタイトル をつけられたそうです。NHKもきたけど残念ながら(?)放映はされなかったとか 。

だいぶ夜更かしして,次の朝,御嶽山の登山口まで行ってみました。たしかにこの自然の充実感は,都会がいかに 便利でも得られるものではありませんね。私も,こういう大自然のあるところで自 分のやりたい仕事ができるのなら,迷わず住みつくでしょうが,いかんせん,こう いうところには仕事がない。札幌ですら仕事がない。残念である。王滝村名物のド ングリコーヒーを飲み,今度上京したら,みんなで会おうと約束してきました。

  

御嶽山と紅葉