健康2007,11/12 山内喜美子(2007)、世界で一番売れている薬、小学館を読んだ。ウサギに高コレステロールを与えると、血中コレステロールが上がって動脈硬化を発症することを報告したのは1913年の旧ソ連のニコライ・アニチコフだということがわかった。また、スタチン系の薬は、開発段階でわが国の患者における超高容量の服用で重篤な横紋筋融解症を起こしていること(服用を中止すれば症状は改善する)、家族性高コレステロール血症(Familial Hyperchoresterolemia, FH)の患者の命を救う大事な薬であることがわかった。かといって、単なるメタボに必要かどうかはわからない。食事で改善できるなら食事で改善するべきである。 2007,7/20 Alderman et al. (1998)によれば、アメリカ人11346人を対象にした調査では、塩分摂取量・摂取カロリー両方とも、「多いほど死亡率が低い」。カロリーあたりの塩分は、多い方がわずかに死亡率が高いようにみえないこともない(相関は低そう)。ということは、薄味のおかずを大量に食うと長生きするということかな。高嶋説に基づけば、運動してたくさんカロリーを摂取した人と、運動しないで短命だった人とを一緒くたに統計取ればこうなるという解釈もできる。筆者らは、この結果は、塩分摂取量を増やすことも減らすことも薦めるものではないといっている。 この論文は後に相当批判されている。その多くは、塩分摂取量の調査方法が調査対象の記憶に頼るもので信頼性が低いというものだ。信頼性は低いだろうが量の多寡について大小関係がひっくり返るとは思えない。塩分は体に悪いという思い込みに基づく言い掛かりだ。「マイバッグは環境に悪い」といったら同じように叩かれるだろう。がんばれ武田先生。 Alderman et al. (1998), Dietary sodium intake and mortality: the National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES I), Lancet, Vol. 351, March 14, pp. 781-785 2006,10/39 肥満の原因は食べ過ぎではなくて運動不足だという論文が出ている。これによると、摂取カロリーは除脂肪体重と正の相関があり、体脂肪率は、除脂肪体重あたりの摂取カロリーが「低い」ほど高い。高嶋君は、これは一般の人とスポーツ選手を一緒くたにして取った統計ではないかと解釈した。彼は賢い。そうかもしれない。 黒川隆志・山ア昌廣・綱分憲明・村木里志(2000)、健康スポーツ科学、技報堂出版 で 今野道勝:栄養と運動と健康、朝倉書店、1982 や 若菜智香子・今野道勝・大坂哲郎・安永誠・千錦俊機・増田卓二:肥満 と身体活動と食餌摂取量との関係について、体力科学、30, pp. 253- 258, 1981 を引いていた。原著を読んでいないので詳細はまだ不明。 2006, 8/31 ちょっと癖があるが大体私と同じ意見だ。この人は医者だから私より信頼できよう。しかし、野菜を食うなというのはすごい。そういえばそんな食生活をしてるエロっぽい女優がいた。見た感じは痩せてるし健康そうで川島なおみじゃなくて...なんかよく蛇に絡まれたりしてる感じの人だが残念ながら脳の老化のため名前は思い出せない........................杉本彩だ。思い出すのに24時間かかってしまった。8086か?俺の脳は。 崇高クリニックによる炭水化物の話。 2006, 8/3 必須アミノ酸、必須脂肪酸はあるが必須炭水化物はない。一日100 g取らないと健康に影響が出るというテレビ番組等もあるが根拠はない。そういう人もいるかもしれないが私はまったく大丈夫だ。 炭水化物:蛋白質:脂肪由来のカロリー比率を40:30:30にすると脂肪の代謝が一番よくなることが知られている。ちなみに各1 gのカロリーは4:4:9 kcalである。たいていの日本人のカロリー比率は多分60:10:30くらいじゃないかと思う。低脂肪を気にしている人は70:10:20とか。たとえば、納豆や魚肉ソーセージは単体で大体40:30:30のカロリー比率だ(魚肉ソーセージは添加物が怖い)。 ところで牛乳は蛋白質補給に役立つと思われているが脂肪が多く蛋白質が少ない。チーズは炭水化物は少ないが脂肪ばっかりだ。ダイエッターが好む豆腐はカロリーの半分以上が脂肪だ(それを承知でというかそれゆえ私は豆腐をがんがん食べる、大豆は総コレステロールを減らす。HDLも減らすのが欠点だが)。ダイエットをする人は、無責任なマスコミはもちろん栄養士・健康評論家・医者等のいうことなど信じず、食品の栄養成分を自分でよく調べてから実行した方がいい。その前に脂肪を取ると太るという思い込みを止めて欲しいが。 炭水化物を大量に摂取すると血糖値があがる。そのためインスリンが大量に分泌され血糖は体脂肪として蓄えられ血糖値が下がり空腹感を覚える。インスリンは体脂肪の代謝を阻害するのでハンガーノックになる。ここで炭水化物のおやつを食べるとまた体脂肪が増え3時間位すればまた空腹感を覚える。インスリンを大量に分泌する膵臓は疲弊し糖尿病を発症する。 40:30:30で食事をすれば血糖値が緩やかに上昇しインスリンの分泌も少ない。血糖値は安定し脂肪の代謝も活発に行われるため体脂肪は蓄積されず空腹感も覚えづらい。精神状態も安定する。 脂肪を摂取すると体脂肪の代謝がよくなる。現在太っている人は痩せる。中性脂肪が高い人は下がる。総コレステロールが高い人は下がる。HDLが低い人は上がる。心臓病のリスクが低くなる。 40:30:30を実行するには日本人の場合は炭水化物を減らして蛋白質を増やせばよい。肉・魚・卵・チーズ等に含まれる自然な脂肪は気にしなくてよい。これらの食物はコレステロールを含んでいるが、「コレステロールを摂取するとコレステロール値が上がる」というのは、「脂肪を摂取すると中性脂肪値が上がる」、「塩分を摂取すると血圧が上がる」。「猿の脳みそを食べると頭が猿になる」と同じように迷信に近い間違いである。コレステロールは血管壁や細胞壁をつくるために必要な、健康維持のためになくてはならない栄養素である。 脂肪には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がある。飽和脂肪酸を摂取すると心臓病になるというのも間違いである。たとえばパルミチン酸はたしかに心臓病の原因となるがステアリン酸は心臓病の死亡率を下げることが確認されている。日本における統計的研究で飽和脂肪酸の摂取量が多いほど心臓病による死亡率が低いことが明らかにされている。脂肪酸の名前も書いてないような健康に関する記事は信じない方がよい。 「不飽和脂肪酸は体にいい」も一概に正しいとは言えない。たとえば、オメガ6(不飽和脂肪酸はメチル基(メチル基CH3-CH2-CH2------COOHカルボン基)から何番目のC-C結合が最初の不飽和であるかによりオメガ3、オメガ6、オメガ9に分類される)のリノール酸(必須脂肪酸)等が揚げ物などに使われると酸化してがん、アレルギー、心臓病の原因となる。たいていの日本人はオメガ6は取りすぎだ。一方、オメガ9(オレイン酸)は酸化しにくく体を化学的に安定させる。エキストラバージンオリーブオイルはオレイン酸の他にポリフェノールやビタミンEを含み、HDLを低下させずにLDLを低下させ、心臓病のリスクを低下させる。オメガ3(必須脂肪酸)は心臓病やアルツハイマーのリスクを低下させる。亜麻仁油からアルファリノレイン酸を摂取しDHAやEPAに変えるのは能率が悪く人によってはうまくできない。魚油から直接DHAやEPAを摂取するのが効率的だが汚染や焼き過ぎによる酸化等の心配もある。 絶対に避けるべきはトランス脂肪酸だ。心臓病、ガン、アレルギーの原因である。マーガリン、ショートニング等にたっぷり含まれており、欧米では健康に悪いことが周知され規制の対象になっている。ショートニングとはマーガリンの味のついてないようなものだ。クッキー等の焼き菓子、ドーナツ、一部のパン等にたっぷりと入っている。ショートニングやマーガリンはプラスティック脂肪と呼ばれこれらを使った食品は酸化・腐敗しないので長持ちする。腐敗しないのは虫や細菌も食わないからだ。間違ってもパンにマーガリンをつけて食べてはいけない。バターの方がよっぽど体にいい。エキストラバージンオイルならベストだ。 (2025、7付記):最近のマーガリンにはトランス脂肪酸がほとんど含まれていないものも多く、そうであれば避ける必要はない。メーカーの商品情報をよく調べて、トランス脂肪酸の含有量が低いと確認できれば、食べてよし。カロリーメイトとか。私はグルテンがダメなのでダメだが。 塩分摂取量が高いほど死亡率が低いことも統計的に明らかにされている。塩分を摂取すると血圧が上がる人は確かにいる。そういう人は塩分摂取を控えた方がいいのは当たり前である。 http://philmaffetone.com/bloodpressure.cfm 同様に、腎臓病の人は蛋白質を控えなければいけない。通風の人はプリン体を控える必要がある。逆に言うと、現在健康な人はそういった栄養素(塩分、蛋白質、プリン体)を控える必要はない、むしろ、これらを体が欲するままに摂取することによって健康な体を維持することができる。 |